東京学館新潟は新潟に8-3で勝った。
6回に2-2と追いつかれて迎えた6回裏2死二塁に、代打の切り札・渡辺倖大内野手(3年)が勝ち越しの右中間三塁打。豪打が呼び水になって、この回は一気に4点を奪った。17日に4回戦で8強入りを懸け、小千谷と対戦する。
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神経を研ぎ澄まして渡辺は打席に入った。1試合で1度しかない打席。6回表に2-2と追いつかれて迎えた、その裏の攻撃は勝ち越しのチャンス。2死二塁で代打の切り札は登場した。「チームの勝ちにつなげるために絶対、1本出す」。カウント3-2からのボールをフルスイング。打球は右中間を破る貴重な適時三塁打になった。これで勢いづいた打線はこの回4安打に2四死球を絡め一挙4得点。もう、再び並ばれることはなかった。
「最高(の結果)は(走者を)かえすことだけど、つなぐ意識で打席に立っている」。そう話した渡辺はベンチで出番を待ちながらじっと相手投手を観察していた。「カウントを取りにくるボールを見ている」。素振りをする時は、そのボールを思い描き、タイミングを計りながらスイングしていた。打席では2度の空振りなどでカウント3-2。置きにくるボールを狙う思惑は外れたものの「変化球を引きつけて打てた」。
初戦の連合チーム(柏崎常盤・柏崎総合・久比岐)との2回戦も代打で長打を放っていた。8-1の6回2死一塁に右越えの適時二塁打だ。旅川佑介監督(40)は「できるだけ多くのチャンスを与えたい。大事なところで打ってくれて、流れが少し変わったと思う」と代打の切り札を評した。今大会2打数2安打、2打点。新潟・小千谷市の親元を離れ、寮生活で3年間野球に取り組んできたのには大きな望みがあった。「まだ甲子園にいっていない東京学館新潟でいきたい」。大舞台へ、渡辺はバットひと振りでその道を切り開く。【涌井幹雄】
○…小千谷は新潟第一との延長タイブレークを7-6で制して夏は27年ぶりの16強入りを決めた。OBの中林靖監督(54)は「この日は無失策。こんなに守備がうまかったかなと思う。成長する」とうれしそうに後輩をたたえた。6-6で延長タイブレークに入った。10回裏1死満塁で打席に立ったのは、この日無安打の和田大斗二塁手(2年)。前打者が申告敬遠で歩かされる悔しさを味わったが、きっちり左翼へのサヨナラ犠飛を放ち、勝負にケリをつけた。「うれしすぎて何も考えられない」と和田の声は弾んだ。

