昨年11月に日米通算4367安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)の指導を受けた都立の進学校・新宿(東東京)は、2年連続の4回戦敗退を喫した。

夏休みに入り、夏期講習後に神宮に駆けつけた一般生徒の姿もあり、大きな声援を受けた。田久保裕之監督(41)は「イチローさんに『腹から声が出るようになりました』と伝えたい。イチローさんのおかげです。改めて、ありがとうございましたと。イチローさんが来なかったら、変わらなかったと思います」と話した。

毎回、走者を出し、チャンスはつくった。相手の好守もあり17残塁。8回は6点差で踏みとどまり、コールド負けを回避。9回に1点を返す粘りを見せた。試合後、ベンチに戻ってから涙を見せた中沢志弥主将(3年)は「勝てなくて、悔しかった。ずっと劣勢の展開でしたけど、負けてしまうとは思わなくて、勝つことを信じてプレーしました」と話した。

イチロー氏からは「ちゃんとやってよ」と言われていた。2年連続の4回戦進出は果たしたが、中沢は「これでちゃんとやったことになるのかどうか…」と首をひねった。

3年生7人で、下級生26人を引っ張ってきた。田久保監督は、選手たちに「胸を張って学校に帰ろう」と声をかけた。中沢主将には「新宿に入ってくれてありがとう」と感謝。2人で握手をかわした。