加茂暁星は7-6で新潟明訓に逆転勝ちし、16年以来の4強を決めた。3-6の8回1死満塁で9番長峰叶多(かなた)遊撃手(3年)が走者一掃の同点三塁打を放ち、続く1番栗林倫乃(りの)三塁手(3年)の左前打で勝ち越した。準決勝は23日、ハードオフ新潟で行われる。
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「やってやろう」。強い気持ちで打席に立った栗林の一打でシーソーゲームを制した。3-6の8回表1死満塁で前を打つ9番長峰の走者一掃、同点三塁打で勢いに乗った。栗林は「ストレート1本」と内角直球をひと振りで仕留めた。「打った瞬間、抜けたと思った。チームを助けられて、ほっとしている気持ちとうれしい気持ちです」と16年以来、7年ぶりの4強進出へ導いた殊勲打を喜んだ。
普段から打席では「後ろにつなげなさい」と指導をしている押切智直監督(48)から、この打席だけは「お前が決めてこい」と伝えられたと言う。「いつもは全員野球を目指しているので、こういうことはあまり言われないが、押切先生の言葉で迷いなく打席に立てた」とここ一番での勝負強さを発揮した打席だった。
新チームになってから新潟明訓とは公式戦3度目の対戦だった。昨秋は3回戦で3-11と8回コールド負け。今春は2回戦で対戦し、4-3で勝利。1勝1敗で迎えた最後の夏は「今日で決着をつけられる」と栗林の渾身(こんしん)の一打で“ライバル”との勝負にけりをつけた。
試合後、新潟明訓の幼なじみ斎藤飛向(ひなた)捕手と、亀田中からの友人・伏見翔太右翼手(ともに3年)の2人から「絶対、甲子園行けよ」と思いを託された。初の聖地まであと2勝。友の思いを背負って、頂点まで駆け上がる。【大島享也】
○…新潟明訓の9番打者で主将の小西健五遊撃手(3年)が意地を見せた。1-3で迎えた6回裏、同点とした後の1死満塁で右前に一時、勝ち越しとなる2点適時打。6回表には自身の失策から失点していた。「応援団やベンチのみんなが打たせてくれた」と感謝した。大阪出身で、新潟明訓では12年夏の甲子園出場時の神奈川出身、石山健二塁手以来の県外出身者の主将。8回に加茂暁星に再逆転を許し、敗れた。「新潟の人は温かく受け入れてくれた。仲間に恵まれた」と高校野球を振り返り、声を震わせた。

