東京学館新潟は北越に6-0で勝ち、19年以来の決勝進出を決め、初の甲子園にあと1勝に迫った。背番号9の須貝悠太投手とエース涌井陽斗投手(ともに3年)で完封リレー。須貝は4回を3安打7三振、涌井は5回を5安打5三振で北越の強力打線を抑え込んだ。5年ぶり夏甲子園を目指す中越との決勝は25日にハードオフ新潟で行われる。

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マウンドに上がると須貝の全身のこわばりは消えた。20日の準々決勝後の控室で旅川佑介監督(40)から「次はお前だぞ」と言われた瞬間から緊張が続いていた。「前夜はポテンヒットを打たれる夢を見て、1度起きてしまった」。しかし、プレーボール前、小学生の始球式が行われる頃には気持ちは相手だけに切り替わった。「先制点だけは絶対、やらない」と4回を被安打3、7奪三振での無失点投球。2-0の3回2死二塁には右前打で追加点を奪い、「自分を援護できた」と笑った。

旅川監督は「3投手で3回、3回、3回のイメージだった」の継投を想定していた。ところが考えていた3投手より1人少なく済んだ。須貝のやる気の“源”は「ベンチに戻ると旅川監督が拍手してくれる。先生が拍手してくれるとうれしい」という監督の拍手だった。この日の直球は自己最速の140キロをマーク。「(捕手の)八幡を信じろ」という指示も忠実に守った。4回2死三塁で相手を直球で二ゴロに仕留めた場面。実はスライダーを投げたかったが「八幡の要求は直球。八幡を信じて良かった」と振り返った。

東京学館新潟が前回決勝進出した19年夏を本丸中2年生だった須貝はよく覚えている。当時、高校1、2年の兄2人が同校野球部に所属。ベンチに入っていなかったが「ここで甲子園に行きたいと思った」と言う。中2で思い描いた甲子園に、あと1勝に迫った。【涌井幹雄】

 

○…5回から2番手で登板したエース涌井は5回を5安打、5三振の無失点で完封リレーを完成させた。「取りあえず、『打者を1人ずつ』と投げた」と打者19人に三塁を踏ませなかった。「5、6人の投手陣で1人前の投手に、と作ってきた」と旅川監督は話していたが、先発須貝と2人で“エース級”の投球を見せた。「こうなったら、東京学館新潟の新しい時代を作る」と涌井は初の甲子園出場をにらんだ。

 

○…2打席連続死球からの3打席目に渋川優希中堅手(3年)は左翼へソロ本塁打を放った。3-0で迎えた5回先頭で豪快な本塁打は生まれた。「思ったところにバットが出る」とこの日の3打数2安打を合わせ、今夏は14打数9安打で打率は6割4分3厘。「技術じゃなくて気持ちです」と決勝でも気持ちをバットに乗せ、甲子園への道を切り開く。

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