履正社が大阪桐蔭を下し、阪神井上広大らを擁して初の全国制覇を果たした19年以来、4年ぶり5度目の優勝を決めた。

先発左腕の福田幸之介投手(3年)が大阪桐蔭打線の前に立ちはだかった。力強い直球を軸に切れ味鋭い変化球を織り交ぜて翻弄(ほんろう)。相手打線に関しては準決勝の箕面学園戦で予習した。「野上に任せている。考えすぎず野上に頼って」と捕手の野上のミットをめがけて投げこんだ。

センバツでは背番号1だったが、今大会では増田壮投手(3年)に譲ってしまった。「夏に向けて自分が1番を背負ってやっていくぞと思っていたんですけど、オープン戦で増田が結果を出していたので。悔しいのが一番大きかった」と闘志を燃やし続けた。

反撃すら許さず、9回をわずか3安打無失点で完封。「0に抑えることができたことが大きいポイントだった」と振り返った。大阪大会決勝では過去4度対戦していずれも黒星。“5度目の正直”でリベンジを果たした。前田との投げ合いも制した。「前田も増田も同じ左でライバル視していた。直接対決して倒すのが夢であり目標だったので、実現して良かった」と笑顔を見せた。

多田晃監督(45)も福田の投球について「本当にいいピッチングをしてくれた。今までで最高の内容でした。9回は安心して見ていた」と絶賛。背番号10の左腕がマウンドで仁王立ちして、優勝へと導いた。

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