第105回全国高校野球選手権記念大会(6日開幕)の開会式リハーサルが5日、甲子園で行われ、出場49校が堂々と入場行進した。昨夏優勝の仙台育英(宮城)は、第1日の第3試合で浦和学院(埼玉)と激突する。エース右腕・高橋煌稀(3年)が「甲子園優勝経験校対決」となる一戦を前に意気込みを語り、小学校時代からバッテリーを組む尾形樹人捕手(3年)との高校最後の甲子園で、チームを何度も勝利に導く。
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エース高橋が、13年春、全国制覇の強豪・浦和学院戦に気を引き締めた。「あとはやるだけという状態になったので、一番の長所であるストレートを生かして抑えていこうと思います」。最速150キロの力強い直球と精度の高い変化球を駆使し、埼玉大会7試合66得点の強力打線を相手に全力投球する。
8強の今春センバツ以来の舞台で、成長した姿を見せつける。センバツは2試合に登板。10回2/3を1失点とチームを引っ張ったが「直球と変化球の質をまだまだ上げられる」と向上心を持ち続けた。今夏に照準を合わせてレベルアップ。直球の質が向上し、空振りを奪いたい場面で空振りが取れるようになった。「打者の反応も良くなったところが、質が上がったところ」と手応えを口にする。
長年バッテリーを組んできた尾形との「高校野球最終章」を迎える。昨夏に東北勢初優勝を成し遂げ、マウンド上でともに歓喜した思い出は忘れられない。「育英のキャッチャー陣の中で一番、信頼があるというか、技術的な面でも高いレベルにある。安定感は長年バッテリーを組んできたからこそ」と全幅の信頼を置いている。
高橋、尾形ら優勝メンバー8人が残り、夏が近づくにつれ、周囲から連覇への期待を感じてきた。宮城大会後、偉業に対する重圧についてエースは「チームとして一戦必勝を掲げてやっているので、あまり感じずにできました」と言い切った。背番号は昨夏の「11」から「1」に変わった。誇りを胸に、マウンドで躍動する。【相沢孔志】