2枚看板による「必勝リレー」は、自責点ゼロのまま敗れ去った。
いなべ総合学園は、先発した水野陸翔投手(3年)が2回に3失点。エラーもあって自責点はゼロのまま先手を許した。それでも水野は3回以降を無失点に抑え、「チームが逆転してくれるから大丈夫。あとは任せた」と継投パターンである高田陽聖投手(3年)にマウンドを託す。「お前は悪くない。任せろ」と水野に返答し、7回から引き継いだ高田は、2回をパーフェクト投球。甲子園行きが決まった直後に「三重にもこんな投手がいるんだということを見せたい」と話していた高田は、堂々としたピッチングでその存在を知らしめた。
2人は入学時から、ライバルとしてお互いを意識し、エースの座を争ってきた。「いつも横にいる感じ」と水野が話す相方とは、背番号1も交互に付けた。
負けたくない思いは、お互いに相当強い。「勉強でも、食べる量でも、ささいなことでも負けたくない」と水野。高田は、2人セットでメディアに取り上げられることが多いことについても、「ちょっとは自分の方が取り上げられたいと思っていました」と笑いながらも、どんなことでも負けたくない気持ちをにじませた。
そんな2人の間には、ともに戦ったことで、無二の絆が生まれた。水野が「高田がいたからここまでやれた」と話せば、高田も「水野がいたから成長できた」。争い、高め合ってきた相手の存在が、高校野球生活を大きく引き上げるものになった。聖地から去ることにはなったが、水野が「ライバルでもあり、信頼できる最高のチームメート」と表現した高田との関係は、別の形で続いていく。【永田淳】

