U18W杯(31日開幕、台湾)に出場するU18日本代表が25日、初実戦を行い、エース番号「18」を背負った大阪桐蔭の前田悠伍投手(3年)が大阪府大会決勝以来の実戦マウンドに立った。大会と同じ7イニング制の練習試合で早大と対戦。ドラフト候補の左腕は8球団のスカウトが熱い視線を送る中、1点リードで迎えた7回に登板した。

140キロ台前半の直球を中心に力強く投げ込み、2人目の打者への死球がこの日最速の145キロを記録。走者を許すも無失点に抑えた。タイブレーク練習のために行われた8回1死二、三塁で「力が入ってシュート回転した」と左越え3ランを被弾。2回を投げ1安打3失点(自責1)。「冷静に投げ込むことが大事だと感じました」と本番に向け気持ちを新たにした。

大阪府大会決勝で敗れた後、実家に帰り1週間の休養を取った。再び大阪桐蔭の寮に戻り、後輩たちとともに練習。シート打撃などゲーム形式で投げ、実戦感覚は磨いた。打たれはしたが「丁寧に投げられました」と、順調な調整ぶりだ。

馬淵史郎監督(67)は「彼は先発がいい」と、起用方法を明かした。前田は「夏は悔しい負け方をした。もう1度投げられるチャンスをいただいた。悔いのないピッチングをしたい」。日本代表のエースとして。高校最後の舞台に、全力投球する。【保坂淑子】