広島の打順別打率を見ると、9番が5番目に高い打率2割1分8厘を残している。指名打者制のないセ・リーグでは投手が入る打順。11日に中日が投手柳を8番に入れたが、広島は今季32試合すべて投手が9番に入っている。
ペース配分が必要な先発投手にとって、9番打者は“抜きどころ”ではある。そういった要素を差し引いても、打率2割超は特筆に値する。セ・リーグ6球団で9番打者の2割台は広島のみで、リーグ6位の巨人とは約1割(9分5厘)も違う。
関係者からは「カープは昔から打力がいい投手が多い」と聞く。確かに昨季は9番打者の打率はリーグ3位も、22年までは2年連続でリーグ1位だった。以前も高橋(現2軍投手コーチ)が01年にシーズン2本塁打を記録し、前田(ツインズ)は日米で本塁打をマーク。助っ人でも、ルイスはマツダスタジアムの防球ネットを直撃するホームラン打者顔負けの“場外弾”を放つなど、在籍2年で5本塁を残した。
打力のない投手でも食らいつく姿勢が強いことも、周囲の印象に影響しているのかもしれない。17年に引退した黒田(球団アドバイザー)の打席で食らいつく姿勢が印象的だが、その影響は大瀬良、九里が今も打席で示している。2人と床田、森下を含めた4本柱は昨季、計24犠打とつなぎの役割も果たした。
今季広島の9番打者の打率を上げる床田と森下が、14日からのヤクルト2連戦に先発する。打率3割8厘の床田に対し、前回4日に3安打の森下は4割4分4厘。互いに投球だけでなく、打撃も意識し合う。森下は「試合を見ていて、また打ったなという気持ちもあります」とライバル心をのぞかせる。バットを新調したという床田は「打ちたいですね」と腕をまくる。
上位から中軸への得点パターンに加え、下位から上位で返す得点パターンが加われば得点力は上がる。リーグ3位の2・63という先発防御率を残す広島先発陣には、投球だけでなく、打席での姿にも注目したい。【広島担当 前原淳】




