22年、東北勢悲願の初優勝を果たした仙台育英(宮城)。今年は史上7校目の夏連覇に挑んだが、惜しくも準優勝。だが、浦和学院(埼玉)をはじめ、強豪校を次々と破った強さは、昨年以上を感じさせた。

連載「22年V、23年準V 仙台育英 強さの秘密」第2回は、春のセンバツでは140キロカルテットだった投手陣がこの夏、145キロクインテットにパワーアップした“投手王国”の秘密に迫る。

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140キロ超え投手がベンチ内外で13人と昨夏から1人減ったものの“投手王国”は今夏も健在だった。むしろ、厚みを増したと言ってもいい。その中心は、エース高橋煌稀と湯田統真(ともに3年)の2枚看板。練習への取り組みもチーム屈指。須江航監督(40)も「両方『(背番号)1』でいいと思っている」と信頼を寄せていた。2人のこうした姿勢は、チーム全体に好影響を与え、他のチームならエースを十分に担える最速147キロ右腕や144キロ左腕がベンチ入りできないほど、競争は激しさを極めた。

昨冬にはブルペンが一新され、同時に6人が投げられる仕様になった。それが、モチベーションと効率アップにもつながった。湯田は「プロみたいなブルペンで練習に意欲が出ます。マウンドも増えたので、練習時間をフルで活用できる」と納得の表情。自身はセンバツから7キロ近く球速を伸ばし、春の東北大会で世代最速の153キロをマーク。同大会で高橋や左腕の仁田陽翔(3年)も150キロ以上をマークするなど、切磋琢磨(せっさたくま)できる環境が醸成されている。

1、2年生から3年生に助言を求めることができる風通しの良さも、仙台育英の魅力だ。スタンドから仲間を鼓舞する最速147キロ右腕の山口廉王(れお)投手(2年)は「先輩方にピッチングを見てもらったり、一緒に投げたりして、直した方がいいところなどアドバイスをもらえる」。“投手王国”は積極的な交流と「日本一激しいチーム内競争」によって作り上げられていた。【濱本神威】