秋季高校野球静岡大会準決勝が、23日に静岡市の草薙球場で行われる。藤枝明誠が、優勝した2020年以来3年ぶりの決勝進出を懸け、聖隷クリストファーと対戦。攻守で鍵を握る「5番・捕手」の皆川晧也(こうや、2年)が、チームを勝利に導く。

扇の要・皆川が投手陣の力を引き出す。前チームからマスクをかぶる女房役は、左右2人の投手を巧みにリード。今秋県3回戦の三島南(3○0)、同準々決勝の常葉大菊川(3○0)戦の2試合連続完封に貢献した。剛腕投手のいた前チームと異なり、制球で勝負する投手陣に「次も配球でそれぞれの良さを最大限出したい」。光岡孝監督(45)からは「冷静で状況判断が抜群な捕手。投手に関し、意見交換もできる私の相談役」と絶大な信頼を得ている。

「捕手・皆川」だけではない。身長162センチと小柄ながらパンチ力のある打撃で、広角に打つ技術も兼ね備えている。今秋県大会は全3試合で12打数4安打3打点。すべての試合で安打を記録し、直近2試合で貴重な適時打を放ち、勝負強さも見せた。「自分たちは力がない分、ミスを最小限に抑えて確実なプレーを心掛けたい。凡事徹底(当たり前のことを徹底的に行うこと)です」と意欲を示した。

上位3枠の東海切符獲得まで「あと1勝」。皆川とともにチームをけん引する主将の一瀬友希内野手(2年)は「全員野球で、最後に1点勝っている野球をするだけ」と力を込めた。堅実な野球で3年ぶりに決勝の舞台に立つつもりだ。【山口昌久】