久慈が準優勝した1975年以来48年ぶりに決勝に進出し、秋の東北大会(16日開幕、秋田)初出場を決めた。3番手の大湊真白(ましろ)投手(2年)が好救援し、盛岡中央に6-5で競り勝った。

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久慈が約半世紀ぶりの快挙を成し遂げた。1点リードの9回1死一、二塁。3番手・大湊が外角低めスライダーで遊ゴロ併殺に打ち取ると、両手を広げて雄たけびを上げた。2回1/3を無失点で決勝進出に貢献したが「自分たちは力がそこまであるわけではない。どの試合もギリギリだったので、過信せず、できることをしっかりやっていきたい」と気を引き締めた。

4回までに6点を先行も、5回に4点、6回に1点を奪われ、1点差に詰め寄られた。7回途中から登板した大湊は、いきなり2死二、三塁のピンチを背負ったが「緊張よりも、みんながつくってくれた試合なので、何がなんでも勝ち切る思いだった」と後続を三ゴロに封じた。以降の2イニングも無失点で粘った。

東北大会切符をつかみ、センバツ初出場に1歩前進した。かつて盛岡一のエースだった菊池達朗監督(31)は、09年夏の岩手大会決勝で花巻東・菊池雄星投手(32=現ブルージェイズ)と投げ合い、敗れた経験がある。「(甲子園は)ベスト8やベスト4から本当に近いようで、ものすごく遠いというのも、私自身も経験してます」。試合終盤は苦しい展開が続いたが「ここで踏ん張れば、ものすごく成長する」と選手たちを鼓舞。1点を守り抜いた。

初優勝をかけて2日の決勝は一関学院と対戦する。「自分としては(強豪)私学と勝負して勝ちたいという気持ちがずっとある」と大湊。北三陸の進学校が波乱を起こす。【山田愛斗】

○…一関学院が14年ぶりの優勝へ王手をかけた。2回に一挙8得点を挙げるなど打線が12安打と爆発し、13-1の5回コールドで水沢工に快勝。3番山内蓮外野手(2年)が3安打4打点、4番梅田昇希捕手(2年)が2安打2打点と今夏の岩手大会でも主力だった2人がけん引した。山内は「自分が打たないと勝てないという意識で臨んだ」と主軸の仕事をきっちり果たした。久慈との決勝に向けては「チームとしては優勝を狙って、個人としてはチャンスで打ちたい」と意気込んだ。