DeNAドラフト3位の山形中央・武田陸玖投手(18)が8日、山形市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金5000万円、年俸560万円で合意した。(金額は推定)。武田は「いよいよ、自分の夢だった舞台に行ける」とワクワクを隠しきれない様子。最速149キロ左腕&高校通算31本塁打のしなやかなバットコントロールが売りの二刀流が、いよいよプロ野球選手として歩み出す。

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プロの世界でも「野球を楽しむこと」を忘れない。最大のアピールポイントは「とにかく野球が好きで、野球を楽しんでプレーできること」。担当の河野亮スカウト(52)も「春から彼の試合を10試合以上見させてもらって、外野から大きな声を出している姿、ベンチからマウンドに上がっていく姿…。そういう野球を楽しんでいる姿を何度も見させてもらった」と、楽しげな姿に魅せられた。武田は「自分の良さである『誰よりも野球を楽しむ』ことを、プロの世界でも存分に発揮して、小さい子や野球をしている人たちに感動や勇気を与えられる選手になりたい」と抱負を語った。

DeNAに指名され、球団の在籍選手をあらためて調べた。「『ここに自分が行くんだ』と、もっと気が引き締まった」と同時に「吸収したい」とも思った。その根底にあるのは、今年4月のU18日本代表候補選手強化合宿だ。同合宿後、「みんな、すぐ人のたけているところを盗む目を持っていた」と語っていた武田。特に印象に残った選手に広陵・真鍋慧内野手(18)を挙げ「真鍋は、自分がバッティング練習を終えた後に『どういう意識で打ってるの』とすごく聞いてきて、熱心だなと感じました」。吸収しようとする姿勢は彼らから学んだものでもある。「自分は1年目。それぞれの選手にいろいろな特徴や長所がある。それらを、しっかり自分の目で見て吸収していきたい」と、先輩全員から良いところを盗むつもりだ。

メディカルチェックで訪れた横浜の印象は「すごいにぎやかで、楽しそうな場所でした」。そこで“誰よりも野球を楽しむ”姿を見せる。武田にとって横浜はもっと楽しい場所になるはずだ。【濱本神威】

▽DeNA三浦監督(ドラフト3位の山形中央・武田について)「(起用法は)まだ何も決まってないです。スカウトからはバッティングの方を評価してるというふうには聞いてます。映像を見たり、評判は聞いてるので楽しみです」

◆武田陸玖(たけだ・りく)2005年(平17)6月6日生まれ、山形県天童市出身。小学6年時には東北楽天ジュニアでプレー。天童四中では軟式野球部。山形中央では1年秋からエース。2年夏、今夏は投打でチームをけん引し2年連続準優勝。9月のU18W杯では3試合で救援登板し、無失点。打撃では3割6分4厘をマークし、初優勝に貢献した。174センチ、78キロ。左投げ左打ち。

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