白鴎大足利(栃木1位)がサヨナラ勝利で春季関東大会初優勝を飾った。1点を追う8回裏から同点に追い付き、タイブレークへ持ち込むと、延長10回、無死満塁から小野寺応助捕手(3年)が、サヨナラ死球。投げては7回途中、3番手で登板した野沢瑛斗投手(2年)が3回1/3を1安打で流れを引き寄せる投球。最後まで諦めない攻めの姿勢が、勝利を引き寄せた。
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野沢の投球が、球場の空気も変えた。1-2で迎えた7回、2点の追加点を許し、なおも2死一、二塁のピンチに3番手としてマウンドに上がった。「ぶっちゃけ、うわーって感じで。今いくかーって感じでした」。心臓バクバクのマウンドも「お前ならいけるぞ!しっかりと投げきれ」というベンチの声に背中を押され、強気で向かった。外角のスライダーで三振に打ち取ると、球場から大きな歓声と拍手が沸き起こった。最速130キロの真っすぐとキレのいいスライダーを軸に、カーブでタイミングを外し、3回1/3を投げ1安打無失点。「(野沢は)私の想像以上の働きをしてくれた。いい誤算でした」と直井秀太監督(27)を、うならせた。
昨夏の覚悟が実った。栃木大会準々決勝で作新学院に敗れると、直井監督は「毎年(敗戦に)涙する3年生を目にして、このままじゃいけない、と」と覚悟を決めた。今春から新基準の低反発バットに変わることを見据え、OBのトレーナーを招き、毎週月曜日を筋トレにあてた。それまでのスクワット、ベンチプレスだけでなく、筋肥大のためのウエートや、ジャンプ系などバリエーションを増やし、積極的に取り組んだ。野沢は「下半身中心のトレーニングで出力が上がった」と、成果を実感しており「夏までにもっと球速を上げたい」と、上を目指す。
試合後、直井監督は選手を集め「もう夏だぞ!」と声をかけた。選手たちは大きな声で「はい!」と答えた。夏の甲子園出場へ。その勝負が始まった。【保坂淑子】

