身延・米山綾亮内野手(3年)の夏が終わった。2本の二塁打を含む3安打。4番の仕事は果たした。

蜃気楼(しんきろう)で有名な富山・魚津から、遠く南アルプスの身延へやって来た。中山賢人監督(35)の熱心な誘いがあった。

「中学の時にケガしたり、あと、イップスになって。のびのびやれる環境というのと、その中にも厳しさがあって。なんか自分に合ってるなと思いました」

ケガのリハビリ明け、久しぶりにボールを投げようとしたら、うまく投げられないようになってしまっていた。「ボールが真上に行ったり、真下に行ったり。手からボールが離れないこともありました」。ただ身延入学後、周囲の先輩や仲間たちはそのことを何も言わなかった。プレッシャーの少ない環境が、自然と治癒につながった。

山あいでの3年間で大きくなり、大人への第1歩を踏み出した。将来の夢ももう明確だ。

「自分、お笑い芸人になりたくて。人を笑わせて元気にするのがすごく好きなんですよ。自分の力でいろいろな人を元気にできたらいいなってずっと思ってきました。自分で稼げるようになったらいいよ、って親にも粘って話して」

この日の悔しさだってきっと、いつかの笑いの糧になる。【金子真仁】

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