最後の夏は悔し涙で幕を閉じた。東陵の185センチ左腕・熊谷太雅投手(3年)は1-1の7回から登板。マウンドに上がると帽子のつばを見つめ一呼吸。そこには「大丈夫、笑って、自分らしく」と記されていた。2死から勝ち越し打を許すも、最後まで笑顔は忘れなかった。だが、最後の整列時にはこらえていた涙が一気にあふれた。
ここからがスタートだ。昨秋の県大会準々決勝で仙台育英に1失点完投勝ち。甲子園準V相手に投げた試合が、熊谷の人生を大きく左右した。入学直後からけがに見舞われた。「自分には実力がない」と高校で野球はやめ、パティシエを目指す予定だった。今では「プロ志望届を出したい」と続行を希望。「仙台育英に勝てたことが大きな自信につながった」。この敗戦は決して無駄にはしない。悔しさを胸に、新たなステージへの挑戦が始まる。

