3時間47分に及ぶ熱戦を制したのは、センバツ4強入りの中央学院(千葉)だった。5-5で迎えたタイブレーク延長11回裏、無死満塁から代打の長江悠人外野手(3年)がフルカウントから押し出し四球を選びサヨナラ勝利。一進一退の攻防も、4回途中から2番手でマウンドに上がった蔵並龍之介投手(3年)が、相馬幸樹監督(44)直伝の通称“ドラゴンフォーク極(きわみ)”で流れを渡さず。2年ぶり8強入りに貢献した。
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一番強いのは中央学院だー。長江がサヨナラの押し出し四球を選ぶと、蔵並は右手人さし指を突き刺し、三塁走者の小沢遼大内野手(3年)を迎え入れる歓喜の列に加わった。「エースとしてピンチは絶対に抑えないといけない。ここで投げられたのはいい経験」と話すとようやく緊張から解放され、笑みがはじけた。
少しも気が抜けなかった。2-2の4回途中から2番手で登板。序盤は制球が定まらず、左越え適時打と暴投で2失点。それでも「焦りはありませんでした」。そう言いきれたのは、“ドラゴンフォーク極”があったからだった。
相馬監督が社会人野球シダックスでの現役時代、落差の大きいフォークを“ドラゴンフォーク”と名付け、得意球にしていた。その話を知り「自分の名前も“龍”で、身長もあるので、もっと進化した“極”で(笑い)」と自分のフォークに命名した。「投げる時、手首を立てる。あとは投げる時のイメージも教わりました」と“本家”からの助言も受け、センバツ後はリリースの位置を少し高くし、186センチの身長を生かす決め球に磨き上げた。
勝負どころで、“極”が生きた。9回2死一塁で迎えた3番打者に対し、カウント1-2からの5球目、フォークで空振り三振を奪った。走者を背負ったタイブレークでも、何度も空振りを奪った。絶対に負けたくない。その思いは投球にも乗り移り、回を抑えるごとに「ウォー」と絶叫した。「無意識でした」。内に秘めた気持ちの強さと魔球をたずさえ、成長した蔵並が甲子園に導く。【保坂淑子】

