聖光学院が今春センバツ出場の学法石川を破り、3年連続19度目の甲子園出場を決めた。佐藤羅天(らま)主将(3年)が捕手として、エース高野結羽(ゆう)投手(3年)の1失点完投をリードし、打っては2安打1打点で3連覇に貢献した。1度は主将を退くも、今夏から再び主将としてチームをけん引。「全国制覇」を目指し大舞台へと挑む。
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ひとりひとりと抱き合い頂の喜びを分かち合った。2安打1打点の佐藤は「自分たちが今までやってきた歩みを結集させて戦うことができた結果」と喜んだ。
昨年8月。新チームが始動し、主将に任命された。「聖光学院の野球を引き継いで、さらに大きいものにしていくことが使命」と意気込んだわずか2カ月後。秋季東北大会初戦で敗れ、斎藤智也監督(61)から「チーム内でリーダーの意識を持たせるために主将を代える」と告げられた。佐藤は「自分のふがいなさで変わった部分もある」と肩を落としたが「チームのことを考えたら仕方のないこと」と受け入れた。
だが決して諦めたわけではない。「最後は自分が主将としてこのチームを締めたい」と、悔しさを反骨心としてきた。その後3人が主将を務め、今夏から再び、主将の欄には「佐藤羅天」の名前が記された。主将交代後もミーティング内容をまとめたりなど、それまでやってきたことを貫き続けた結果だった。最後の夏を前に、主将を経験した3人の推薦で任命された。
次は背中で示す番だ。2学年上は甲子園最高成績の4強、1学年上も1勝を挙げた。「見せてもらった景色を今度は1、2年生に見せることが自分たちの役目」と佐藤。この日、甲子園切符を手にし「役目を果たす第1歩を踏み出せたと思う」と安堵(あんど)の表情をみせた。
今年は甲子園経験者がエース高野だけと、例年に比べ経験値が少ないメンバーだが、それこそが今の武器だ。昨秋までは「一枚岩」がテーマだったが、今は1つ1つは小さい「さざれ石」をテーマにしている。「最初からある大きな岩ではなく、1人1人が大きくなり巌(いわお)になろう」という思いから決まった。だが、まだまだここからだ。「甲子園に向けて個々の力や人間性など、もっと大きな巌になって勝負したい」と力を込めた。先輩たちが成し遂げられなかった「全国制覇」。新たな歴史を刻む挑戦が始まる。【木村有優】
◆聖光学院 1962年(昭37)に聖光学院工として創立した私立校。77年から現校名。生徒数は631人(女子162人)。野球部も62年創部。部員は116人。甲子園出場は春6度、夏は3年連続19度目。主なOBはロッテ佐藤都志也、阪神湯浅京己ら。福島県伊達市六角3。新井秀校長。
○…3番左翼で先制2点本塁打を放った国学院栃木の椿秀太外野手(3年)は、2点差に詰め寄られた6回無死満塁のピンチで2番手として登板。「絶対抑えて甲子園へ」と意気込んだが、最初の打者に押し出し四球を与え、その後、内野ゴロの処理を焦った味方の失策で逆転を許した。投打でチームを引っ張ってきたが、甲子園に届かず涙。「次のステージで活躍できるようにこの経験を生かします」と先を見据えた。

