智弁和歌山は霞ケ浦(茨城)戦の土壇場の8回に2者連続アーチで同点に追いつくも、延長戦の末に敗れ、出場3季連続の初戦敗退。報徳学園(兵庫)に続いて、関西の強豪校が早々と聖地から去った。

   ◇   ◇   ◇

魔曲「ジョックロック」が、一瞬にして悲鳴とため息にかき消された。2点を追う延長11回タイブレーク。1点差まで迫ったが、最後に井口が遊ゴロに倒れ、ゲームセット。21年夏の日本一達成後、春夏通じて3大会連続での初戦敗退を喫した。中谷仁監督(45)は「勝たせてやれなくて申し訳ない。僕に問題がある。全て僕の責任。僕の指導力不足、未熟さだと思います」と自戒の言葉を並べた。

土壇場で試合を振り出しに戻した。打線が120キロ台の直球と80キロ台のカーブで緩急を操る霞ケ浦の左腕市村を打ちあぐね、7回まで無得点。3点を追う8回、2死一塁からは途中出場の高桑が左翼ポール際への2ランを放って甲子園の空気を一変させると、さらに4番花田が新基準の低反発バット導入後では木製バット1号となる左越えの同点弾。大会3、4号となる2者連続アーチをマーク。相手に傾いた流れを終盤で一気に引き寄せたが、終盤で力尽きた。

昨夏の和歌山大会初戦敗退から再スタートを切ったチームだった。6連覇を逃し、8月では異例の関東遠征を敢行して強豪校と練習試合を重ねた。気づけば公式戦を含め新チームがこなした実戦は120試合以上にも及んだ。「競争」によって力をつけた強力投手陣と強力打線は、和歌山大会の準決勝まで4試合連続無失点のコールド勝ち。決勝戦も自責0で2年ぶりに制したが甲子園の難しさ、厳しさを痛感した形となった。

2年生以下ではエース渡辺、宮口、野手では山田希、福元、藤田、1年生の松本と主力が残る。新チームに向けて指揮官は「下級生がここっていうところで痛い経験をしたと思うので、これを糧に彼らが頑張ってくれれば」と期待した。甲子園の借りは、甲子園で返すしかない。【古財稜明】

◆2者連続本塁打 智弁和歌山の高桑、花田が8回に記録。昨年の仙台育英・尾形樹人、湯田統真が浦和学院戦で記録して以来28度目。試合に敗れたのは47年京都二商(対岐阜商)以来、77年ぶり2度目。

◆智弁和歌山の延長戦 過去の延長戦では学校別で全国最多となる春夏通算12勝(3敗)を挙げていたが、19年夏3回戦で星稜にタイブレークの延長14回、サヨナラ3ランを許して1-4で敗れたのに次いで2連敗となった。

▽智弁和歌山・高桑(8回に反撃ののろしをあげる左越え2ラン)「打っても負けてしまったので、悔しい気持ちしかないです」

▽智弁和歌山・花田(8回に木製バットで2者連続となる左越え本塁打を記録)「(新基準バット導入後の木製1号は)個人的な目標だったので、1個達成できたのはるんですけど、勝たなければ意味がないです」