大社(島根)が神村学園(鹿児島)に敗れ、107年ぶりの4強入りを逃した。それでも、32年ぶりの出場から報徳学園(兵庫)、創成館(長崎)、早実(西東京)と次々と強豪を破った「大社旋風」は、県内外を問わず、多くの人々を熱狂と感動の渦に巻き込んだ。
試合後のコメントや「男泣き」でも、その人情味が話題となった石飛文太監督(42)。野球部員だけでなく、長きにわたり一般の生徒たちからも慕われてきた。
同校の卒業生で都内の会社員、河江佑太さん(29)もその1人。「『文ちゃん』と呼ばれて親しまれていました」と、13年前の学生時代を振り返る。学校では国語を教わっていたが、「先生というよりもお兄さんという感じ」。誰にでも分け隔てなく接しており「生徒との距離も近かった」と、その人となりを明かした。また、端正なルックスで、当時から女子生徒からの人気は絶大だったという。
石飛監督は同校卒業後、県内の私立高で部長などを務めた後、11年に大社のコーチに就任。約5年間務めた後に転勤となり、他校で卓球部顧問を務めた。その時も大社高の応援のために欠かさず球場に通い、スタンドから誰よりも大きな声援を送っていたという。その様子はSNSでも話題になった。河江さんは「大社愛にあふれた熱い人だった」と、笑顔で話した。
石飛監督は、20年に再び大社へ異動。部長をへて、同年秋から監督に就任した。5年目でつかんだ甲子園の切符で、県勢に大きな希望を与えた。「親、友達、親戚からLINEが止まらなかった。こんなに地域から愛されている高校なんだなと。野球部ナインが強豪校相手に臆することなく躍動する姿を見て、自分が大社高校の卒業生であることを誇りに思った」と河江さん。「文ちゃん、これからも“大社野球”で夢をみせてください」と、エールを送っていた。【勝部晃多】

