<全国高校野球選手権:三重7-5城北>◇20日◇3回戦

 城北(熊本)は三重にあと1歩及ばなかった。

 いきなりハプニングが起こった。1回裏、三重の2番佐田泰輝内野手(3年)の打球が先発の安武佑希投手(3年)の右足を直撃。この回は抑えたが、2回途中4失点で降板。2番手の大西兼人投手(3年)も踏ん張りきれず、一挙5点を失った。続く3回にも1点追加され、ビハインドは6点。いつもなら抑えで登場するエース諸冨将士(3年)が、4回途中から登板せざるを得なかった。

 しかし、そのエースが流れを引き寄せた。5回表、無死満塁で1番安達勇輝外野手(3年)が左前適時打を放つと、相手のミスも重なりこの回4得点。8回表にも1点奪って追い上げたが、その裏に1点を失い力尽きた。

 力投した諸富は「これでみんなと野球ができなくなるのが悔しい」と涙。春は腰痛に苦しみ、熊本大会では調子が上がらなかった。それでも最後は聖地でエースらしい投球を見せ、末次敬典監督(63)も「最高のピッチングでした」。

 ノーシードから勝ち上がった誇りを胸に、城北ナインが夏を終えた。