<高校野球神奈川大会:浅野4-3横浜サイエンスフロンティア>◇13日◇1回戦
最後の投ゴロを処理し、“エース愛甲”は迎えた一塁手と抱き合った。まるで80年、夏の甲子園を初めて制した横浜ナインのような?
激しい歓喜の瞬間。だがユニホームに躍る校名は「YOKOHAMA」ではなく「ASANO」。同じ神奈川でも、愛甲将大投手(3年)が通うのは県有数の進学校だ。
9安打7四死球と苦しみながら、延長11回3失点の粘投。「ピッチングは悪かったんですが…。最後に打てて良かったです」。11回1死三塁では中前に決勝打を放った。3安打3打点。投打に主役をかっさらい、横浜サイエンスフロンティアに競り勝った。
「あいこう」。珍しいその姓は、80年夏の甲子園V左腕、横浜・愛甲猛(元中日)と同じだ。「よく息子さんですか?
って聞かれます…。全然関係ないんですけど」と笑う。この勝利で、浅野は夏の公式戦通算100勝。「同じ名字でも実力が全然違うので」と謙遜するも、メモリアル勝利をもたらしたのは確かにその右腕だ。
愛甲猛氏は横浜時代、「甲子園のアイドル」と絶大な人気を誇った。こちらの愛甲も、本家に負けない端正な顔立ちだ。ちなみに下の名前は、楽天田中と同じ将大(まさひろ)。167センチと小さい体に反し、名前は2人の甲子園優勝投手を併せ持つ超大物だ。
将来はもちろん、プロ野球選手を目指すんですか?
「いえ、弁護士になりたいです」と、東大に毎年30人前後の合格者を出す浅野ならではの答えが返ってきた。だがその前に「次は絶対完封します」と宣言。横浜・愛甲の剛腕ぶりまで、再現なるか。【鎌田良美】

