<高校野球神奈川大会:茅ケ崎西浜6-3三浦学苑>◇21日◇3回戦

 茅ケ崎西浜のプロ注目左腕、古村徹投手(3年)が、劇的な逆転サヨナラ満塁弾を放った。2-3で迎えた三浦学苑戦の9回2死満塁の場面で、2ボールからの直球を右翼席へ運んだ。前打者の熊沢健吾外野手(3年)が、遊失で出塁。1度は観念してバットを置いたが「持ってるな」と確信し、迎えた打席だった。

 天候も味方に付けた。「(バットの)ド根っこ。本当ならライトフライ」という当たりは、台風6号の影響で強い追い風に乗り、スタンドへ運ばれた。前夜は家族と天気予報を見ていたという。「家族に『この台風は進むのが遅くて、よく遅刻するあなたみたい』と言われました。仲間が助けてくれた」と笑った。

 本業では、3日の横須賀学院との練習試合以来の登板で「久々で緊張してしまった」。スライダーのキレが悪く、序盤から連打を許し3失点。それでも横浜の稲嶺スカウトは「カウントが悪くても変化球でストライクが取れる。注目しています」と高評価。古村も「勉強が嫌いなので、誘われればプロで」と色気を見せた。【森本隆】