<高校野球群馬大会:高崎健康福祉大高崎10-6高崎商>◇27日◇決勝

 足で頂点をつかんだ。創部10年の高崎健康福祉大高崎が、6試合で28盗塁の大会新記録を打ち立て、初めて甲子園切符を手にした。青柳博文監督(39)は「就任当時は10人くらい、練習する場所すらなかった。それが今では球場も出来て、部員もいっぱい入った。部員と学校には本当に感謝でいっぱい」と唇をかみしめて話した。

 走りまくった。決勝という大一番でも先発9人中7人で計9盗塁。50メートル走で6秒を切る選手がレギュラーで4人。練習試合の時から「失敗してもいいから走れ」が合言葉。この日も「盗塁は自分の判断でいけたらいけ」のサインが出ていた。4-3、1点リードで迎えた4回にはダブルスチールを含めた4盗塁で一挙3点を奪い、高崎商のエース金井をマウンドから引きずり降ろした。足だけではない。7回まで毎回得点で、13安打10得点をたたき出した。

 「気持ちで負けなかった」と門村鴻輝(こうき)主将(3年)は今大会を振り返る。3回戦では高崎東との延長戦を制し、準々決勝では春準Vの樹徳を破り、1戦ずつ精神面も成長を遂げてきた。「群馬代表として恥じぬよう、全力プレーを全うします」。甲子園初出場初勝利を目指し、門村主将の戦いが再び始まる。

 ◆高崎健康福祉大高崎

 1968年(昭43)創立の私立校。2001年に現校名。生徒数は1267人(うち女子808人)。野球部は01年創部、部員数78人。甲子園は春、夏通じて初出場。OBは女子ショートトラック貞包(さだかね)紘子。高崎市中大類町531。須藤賢一校長。

 ◆Vへの足跡◆2回戦7-0太田東3回戦4-3高崎東4回戦5-1大間々準々決勝5-4樹徳準決勝5-1桐生商決勝10-6高崎商