<高校野球大阪大会:履正社10-0大体大浪商>◇28日◇5回戦

 昨夏の決勝の再現となった5回戦で、履正社が大体大浪商に6回コールド勝ち。エース飯塚孝史(3年)が投げて6回1安打無失点、打ってはサヨナラコールドを決める適時打を放つなど投打で活躍し、昨年のリベンジを目指した古豪を沈めた。

 大体大浪商相手の決勝で公式戦初完封を演じ、大阪の頂点に立った夏から1年。リベンジを狙った相手を今年も履正社のエース飯塚が封じ込んだ。昨年は3-0だったスコアが今年は10-0。一気に8点を奪った6回の猛攻は、打者・飯塚が起点になった。

 2-0の1死から、この日2本目の安打を右前へ。この後6本の長短打と敵失で6者連続を含む7得点。なおも2死二塁で、この回2度目の打席に立った飯塚が右翼フェンス直撃の適時二塁打でサヨナラコールドを決めた。

 「狙い球が来て、それを打ち返してこういう結果が出ています」。チーム最多3安打の結果にもエースは控えめだが、打席での意欲は打撃自慢のチームメートに負けない。本来、打撃は得意。大会前に「夏は7割打つ」とチームメートに宣言していたとおり、自分のバットで自分を助けた。

 2日連投となったマウンドでも、安定感は揺るぎなかった。被安打1の2四死球だけで、6回を無失点。飯塚は「まだ内角を攻め切れていない」と反省するが、これで初戦の2回戦・汎愛戦から全4試合コールド勝ちの快進撃はエースの力投が軸になっている。

 捕手で主将の坂本誠志郎(3年)は「6回にもっと点を取れば飯塚の球数を減らせる。10球、20球でも楽にしてやれる。この回にもっと点を取ろうという集中力がみんなにあった」と打ち明けた。履正社の強さが際立ってきた。【堀まどか】