<高校野球兵庫大会:滝川二2-1報徳学園>◇27日◇準決勝◇ほっともっと神戸

 滝川二が13年ぶりの決勝進出を決めた。DeNA馬場敏史2軍内野守備走塁コーチ(47)の次男で4番の馬場修平内野手(3年)が4回、同点の口火を切る二塁打。オリックス時代の父の元本拠地・ほっともっと神戸でジュニアが躍動し、優勝候補の報徳学園を破った。

 日本一選手のDNAが、神戸でよみがえった。優勝候補の「逆転の報徳」を滝川二が逆転で破った。口火を切ったのは馬場。1点を追う4回、先頭で左中間を破る二塁打。緑の外野天然芝の上を白球は駆け抜けて行った。4番の長打から同点に追いつき、7回の逆転で逃げ切った。

 2日前の25日準々決勝で、初めてほっともっと神戸で試合をした。バント安打で4打数1安打1打点。この日はフルスイングで4打数2安打。「初回2死三塁で打てなくて、次のチャンスは絶対に打つぞと思っていました」。初打席で走者をかえせなかった分2打席目は好機をつくって実らせた。

 球場がグリーンスタジアム神戸と呼ばれていたころ、本拠地球団のオリックスは国内最強チームだった。95年はリーグ優勝を飾り、翌96年は日本一に輝いた。父は最強ブルーウェーブの名三塁手だった。当時の映像を見て「守備がうまかったんだな」と目を丸くした。

 ただ95年1月13日生まれの馬場には、父の現役時代の思い出はヤクルト時代の方が鮮烈。幼いころに神宮に連れて行ってもらい「大好きな岩村さんに会えた」ごきげんな記憶がある。

 昨秋は控えだったが、冬の下半身強化で今春から正一塁手になり、主砲として決勝に臨む。「お父さんの本拠地だった舞台だし、もっともっと燃えてほしい。4番なんだからランナーをかえせるように」と渋谷卓弥監督(53)は期待する。今夏、球宴休みの期間、父は応援に来てくれた。緑の芝から力をもらい、今日は父に甲子園出場を報告する。【堀まどか】