<高校野球北北海道大会:阿寒・霧多布・釧路東・白糠5-4釧路高専>◇25日◇釧根地区Bブロック1回戦◇釧路市民

 ばらばらのユニホームを着ていても心は1つだった。釧根地区1回戦で、阿寒・霧多布・釧路東・白糠の連合チームが釧路高専を下し、結成3季目で初白星をつかんだ。4-4で迎えた延長12回2死二塁から7番・松館孝一遊撃手(霧多布2年)の左越え適時二塁打で勝ち越し、その1点を守りきった。

 練習場は釧路東のグラウンドで、集まれるのは土日しかない。チームをまとめる小原令央主将(白糠3年)は、結成当時「髪が長い人もいて、見た目でどういう人なのかなと思った」。だが、各校、部員不足で単独での公式戦出場はかなわない。男子生徒数は釧路東こそ150人いるが、阿寒48人、霧多布42人、白糠83人。そんな苦境から集まった15人だけに、次第にチームワークも強まった。

 昨秋、今春ともにコールド負けを喫し、迎えた最後の夏での「1勝」。試合後、小原主将が「最高のメンバーです」と胸を張る選手が整列する中、霧多布の校歌がグラウンドに流れた。4校平等の精神から校歌、校章、校旗、主将を分け合ったため、霧多布以外の選手は歌詞がわからないという、最高にうれしいハプニングだった。【保坂果那】