リハビリ中のマー先輩に、吉報を届けたい!

 第96回全国高校野球選手権(8月9日開幕、甲子園)の南北海道大会が今日17日、札幌円山球場で始まる。16日は出場15校が公式練習を行い、米大リーグ、ヤンキース田中将大投手(25)の母校で、今春のセンバツに出場した駒大苫小牧は、シートノックで機敏な動きを披露。田中が2年だった05年以来の春夏連続甲子園出場へ、順調な仕上がりを見せた。

 9年ぶりの春夏連続甲子園へ、自信を手にしつつある。20分間の公式練習を終えた駒大苫小牧の佐々木孝介監督(27)は「いいチームになったなと思います」と、珍しく声を和らげた。これまで叱咤(しった)してきた3年生を中心に、ようやく生まれてきた一体感。シートノックを受ける、選手の表情も明るい。「地区予選が終わった後ぐらいから、いい雰囲気になってきた。やれることは、すべてやってきたつもりなので、思い切ってやりたい」と、期待を口にした。

 吉報を、届けたい人がいる。右肘靱帯(じんたい)の部分断裂で故障者リスト入りしているヤンキースの田中だ。駒大苫小牧ナインにとって、いつも励みとなっている偉大な先輩が、今は苦境に立たされている。昨夏、田中から「『お前の高校、最近甲子園で名前聞かないぞ』と言われるから頑張れ」と激励を受けた若松大地左翼手(3年)は「あれから1年。甲子園を決めて、良い報告をしたいです」と意気込む。母校の活躍は、リハビリ治療中のマー君にとって、心の良薬になるはずだ。

 6月下旬の室蘭地区2回戦(対北海道栄)では、エース伊藤大海投手(2年)が足をつるアクシデントに見舞われ、6点リードの展開から一転、9回、1点差まで詰め寄られた。「1度は、負けを覚悟した。でも、また、ここ(札幌円山)へ来られた」(佐々木監督)。19日の札幌丘珠戦から始まる、新たな戦い。昨夏、あと1勝で届かなかった甲子園切符を、総力戦でつかみに行く。【中島宙恵】