<全国高校野球選手権:春日部共栄5-1龍谷大平安>◇11日◇1回戦

 春初優勝を飾ってから131日…。史上8校目の春夏連覇を目指した龍谷大平安(京都)が、開会式直後の試合で敗退した。原田英彦監督(54)は「選手を責められるようなことは何もない。大きな期待に応えて春に日本一。夏も甲子園に来ることができた。よくやってくれた」と目頭を押さえた。

 京都大会で好調だった元氏がまさかの初回5失点。死球を挟んで4連打を浴びるなど1死しか取れずに降板した。同じ2年生左腕の高橋奎が緊急登板して食い止めたが、スコアボードの「5」が重くのしかかった。

 センバツで頂点を極め、春夏連覇の目標を掲げてスタートした。しかし招待試合が多くなるなど基礎練習の時間は激減。河合主将は「みんな俺が俺が…となってしまっていった。キャプテンとしてうまくまとめられなかった」と、苦悩した日々を振り返った。

 期待が大き過ぎただけに、気持ちの切り替えは簡単ではない。元氏は「先輩たちには申し訳ないけどこの負けが2度とないように、今後につなげていきたい」と絞り出すように話し、高橋奎も「もっと走り込んでスタミナをつけ、安定した投手になりたい」。2人の左腕にはまだリベンジの時間がある。【辻敦子】