<全国高校野球選手権:東邦11-3日南学園>◇12日◇1回戦

 日南学園(宮崎)は自慢の投手陣が打ち込まれて初戦敗退した。

 全国の壁は高かった。日南学園の自慢の2枚看板が崩壊した。宮崎大会4試合を2人で1失点に抑えていた左腕エース横川楓薫(ふうが)投手(3年)と右腕柳悠聖投手(3年)が、まさかの11失点。捕手の萩原が「今までに経験がないくらい構えたところに球が来なかった」と驚くほど制球力を欠いた。

 この舞台にかけていた。昨秋、制球力に悩んだ横川は「投手をやめよう」と考えるまで落ち込んだ。課題を克服するため春先から、ホームベースの端に空き缶を置いて当てる練習を行った。「5球に1球は当たるようになった」。成長したはずだった。

 満席の東邦アルプス。聖地の雰囲気にのみ込まれた。感じたことのない重圧と雰囲気がマウンドに漂う。「2人の投手はそれ(甲子園の雰囲気)を力に変えることができなかった」(萩原)。横川も「自分の力のなさでこんな結果になった。一からまた頑張りたい」。卒業後は、東海大を志望し、後にプロとして聖地へ再び戻ることを誓った。