8年ぶりに楽天のマー君が復活した。日本のプロ野球界で再び、田中将大投手(32)の勇姿が見られるという楽しみと同時に、どこか寂しさも感じる。ピンストライプのユニホームを着た「ヤンキース田中将大」。1番手のエースとはいかなかったが、メジャー全体でも存在感は十分だった。

楽天で悲願の日本一を達成した13年、24勝0敗の偉業を成し遂げた。翌年、伝統球団のヤンキースに移籍し、6年連続で2ケタ勝利。常勝が求められる環境の中で堂々たる結果を残し、19年7月には、初めてオールスターに出場した。スター軍団がそろう晴れ舞台のマウンド。野球のキャリアの中で夢を描いた場所の1つだったのかと思いきや、田中は「いや、そんな意識してなかった部分ですかね」と、あっさりしていた。続けてこう言っていた。

「一番はやっぱり、ワールドシリーズを制覇して、チャンピオンリングをとりたい。そこはすごく思い描いてる部分というのはあります」

野球の最高峰のリーグで頂点に立つ-。常勝ヤンキースとはいえ、簡単なことではない。メジャー7年間で悲願はかなわなかったが、目標に向かって挑み続ける姿は日本時代と同様に堂々とし、頼もしかった。

楽天復帰が決まった直後の1月30日、都内で会見を開いた。「まだアメリカでやり残したことがあると自分では思っている」。そして、質疑応答の最後に、明かした。「事実としてワールドシリーズに出てチャンピオンリングを手にしていないのは、当初そこを目標にしてずっとプレーしてきていたので、そこはやはり、やり残した部分だとは思っています」。

歴代の日本人メジャーリーガーをたどれば、日本球界に戻った後にメジャーに再復帰した例はほとんどない。田中も当然、それが極めて難しいことだとは理解しているだろう。

8年ぶりの楽天復帰でこだわる数字やタイトルについての質問に田中は「こだわりたいタイトルは日本一です。すごく求められている部分、ハードルは高いと思ってますけど、そこをまた飛び越えてやろうっていうのもやりがいの1つ」と言った。何事にも固定観念に縛られずに挑戦し続ける姿から、取材側としても淡い期待をぬぐいきれない。今まで以上に高い壁となるメジャー復帰も、その可能性がある限り信じたい。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)