韓国で初のメジャーリーガーも驚いただろう。MLB通算124勝を誇る朴賛浩(パク・チャンホ)氏(49)が、6日に行われた阪神との強化試合前、侍ジャパンの大谷翔平投手(28=エンゼルス)と握手し、あいさつを交わした。94年にドジャース入りし、野茂英雄氏ら歴代の日本人選手とプレー経験がある同氏は「大谷選手は今やもう日本のスターじゃなくて、アジアの野球を代表するスターだと思ってます」と、うれしそうに語った。

現役時代は「コリアン・エクスプレス」の異名を持ち、160キロ前後の速球を武器とした。現在はパドレスの球団アドバイザーを務めており、各スカウトから大谷の話題を振られ、質問を受けるという。「自分も投手出身だから、大谷選手の投球についてすごく興味深く見ていた。ただ、打者としてこんなに成功するとは、思っていなかった」。すると打者大谷は阪神戦に「3番DH」で出場し、3打数2安打6打点。片膝をつきながらの中越え3ラン、バットを折られての中越え3ランと2打席連続で衝撃弾を放った。

朴氏は現役時代、同僚だった野茂を始め、黒田博樹氏、吉井理人氏ら日本人選手の人間性に心を打たれた。「一緒に接する中で、礼儀正しさ、人を大切にするというところに感銘を受けた。大谷選手は言わずもがなですが、実力も兼ね、先輩たちのような人間性も全部兼ね備えた存在」。母国の子どもたちに向けての講演で大谷の話をすることも多いようで、「努力して練習をして、いい選手になることは出来るかもしれないけど、素晴らしい人間になることはなかなか難しい」とリスペクトを示した。

通訳が間に入っていたとはいえ、大谷について約10分以上、語り続けた。隣にいた韓国人スタッフからニックネームが「TMT=Too Much Talker(話が長い人)」とバラされ、朴氏は笑った。よきライバルとして、野球の発展に向けて切磋琢磨(せっさたくま)してきた日韓の両国。歴史を変えている二刀流の活躍が、朴氏はうれしそうだった。(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)

阪神対侍ジャパン 3回表侍ジャパン2死一、二塁、中越え3点本塁打を放つ大谷。投手才木(撮影・江口和貴)
阪神対侍ジャパン 3回表侍ジャパン2死一、二塁、中越え3点本塁打を放つ大谷。投手才木(撮影・江口和貴)
阪神対侍ジャパン 5回表侍ジャパン2死一、二塁、右中間に2打席連続となる3点本塁打を放つ大谷(撮影・江口和貴)
阪神対侍ジャパン 5回表侍ジャパン2死一、二塁、右中間に2打席連続となる3点本塁打を放つ大谷(撮影・江口和貴)