日本では緊急事態宣言が全国で解除され、プロ野球も6月19日に開幕することが決まりましたが、メジャーでは依然として不透明な状態が続いています。

その一方で、筒香嘉智外野手が所属するレイズが、25日(日本時間26日)から本拠地トロピカーナフィールドを開放し、14人の選手が練習を再開しました。球団が配信した写真などによると、各選手は検温したり、マスクを着けて体を動かしたようです。マスク姿で見守ったケビン・キャッシュ監督も「正しい方向へ向かうステップ。みんなに会えて良かった」と、明るいコメントを残しています。また、大谷翔平投手が所属するエンゼルスが本拠地エンゼルスタジアムとキャンプ地テンピの施設開放を決めるなど、人数制限の条件付きですが、米球界も少しずつ具体的に動き始めています。

もっとも、「開幕秒読み」かと言えば、そう簡単でもないような気がします。日本では、外出規制などの効果で感染拡大が抑制され始めましたが、米国では依然として拡大が続いています。ジョン・ホプキンス大のデータ(5月25日現在)によると、感染者数は165万人を超え、死者数は世界最多となる10万人に迫ろうとしています。地域や個人差があると思いますが、レストラン営業が再開されたアリゾナでは、人気店に多くの客が殺到してニュースになるなど、社会全体の危機感や不安感は消えていません。

現在、MLB機構と選手会との間で話し合いが続いていますが、健康・安全面はもちろんのこと、各球団の開催地、試合日程、リーグや地区再編、さらには金銭面など、解決すべき多くの難題を抱えています。年俸に関しては、減額分を来年以降に支払うなどのプランもあるようですが、交渉は難航するものと見られています。

開幕が決まった日本のプロ野球は、今後、無観客から徐々に段階を経て緩和していくようで、選手やファンの方々も、今からワクワクしているのではないでしょうか。MLBは6月中のキャンプ再開、7月上旬の開幕を目標にしていますが、米国でも早くワクワクしたいものです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)