レッドソックスがドジャースを4勝1敗で下し、5年ぶり9度目の制覇を果たした今年のワールドシリーズ。この頂上決戦を生観戦することはファンにとってもちろん特別なことだ。周囲に自慢したくなるのも当然だろう。ただ何気ない自慢によって観戦機会を奪われそうになったファンがいたようだ。

ボストンの地元メディア、ボストン25ニュースが報じたところによると28歳の学校職員ロビー・ジョンソンさんは650ドルで第2戦のチケットを購入することができ、試合日の先月25日姉と会場のフェンウェイパークを訪れた。しかし入場口でチケットを提示すると、そのチケットは既にスキャンされており、使用済みと判定され入場できなかったというのだ。

ジョンソンさんは「チケットサービスに行きました。するとチケットが午後5時9分にスキャンされたという情報があったんです。私たちが到着する数時間前にスキャンされていました」と状況を説明している。

いったい何が起こったのか。実は今回のチケットはオンラインから自分で印刷する形式のもので、ジョンソンさんは印刷したチケットの写真を「今夜だ。さあ行こう!!」というメッセージと共に写真系SNS、インスタグラムに投稿していたのである。写真にはチケットのQRコードやシリアルナンバーがしっかりと映っていた。つまり何者かがこの写真からチケットを偽造し、ジョンソンさんより先に入場していたのである。

結局、ジョンソンさんはオリジナルのチケットをあきらめ、新たに450ドルを支払って別のチケットを手に入れ、生観戦することができたということだ。さらに元々の席を監視していたものの、誰もその席に座ることはなかったのだとか。

ちょっとした自慢が手痛い損失につながってしまった形である。近年、SNSの普及とともに同じようにチケットの写真を投稿する行為は増えている。同時にアメリカの大手チケット業者チケットマスターが#CovertheCodeというハッシュタグを作って注意喚起するほど、このような偽造行為は広まっている模様だ。日本でもこのようなオンライン・チケットの導入は始まっている。それだけにSNSなどにチケットの写真を投稿する際にはバーコードなどが映り込まないよう細心の注意を払うようにしたい。

事件後、ジョンソンさんはインスタグラムのアカウントをプライベートに設定にしているということである。