現地5月23日、ツインズ傘下の2Aサザンリーグに所属するフロリダ州のペンサコーラ・ブルーワフーズが本拠地ブルーワフーズ・スタジアムを米民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーに登録した。

同サイトによれば1泊1500ドルとなっている。改装されたばかりのクラブハウスでは革張りのソファが4つ、薄型テレビ2台、卓球台があり自由に使用できる。隣接したベッドルームには2段ベッド4台、クイーンサイズのベッドが2台あって10人が宿泊可能だ。フィールドも使用でき、バッティングケージで打撃練習も出来るほか、ホームプレートで朝食を摂ることができるとうたわれている。

プロ野球のスタジアムが同サイトに登録されるのは初めてのことで、大きな注目を集めている。2カ月分の予約は24時間以内に完売したということだ。

似た動きは他にもある。レッドソックス傘下のロードアイランド州3Aポータケット・レッドソックスは「ボールパーク・ダイニング」と銘打ち、29日夕刻から週末に本拠地マッコイ・スタジアムでドライブスルー形式のディナーのテイクアウトと少数限定のフィールド上での食事サービスを開始する。またロッキーズ傘下のクラスAショートシーズンのアイダホ州ボイジー・ホークスは22日から本拠地メモリアル・スタジアムの三塁線際のイベントスペースでやはりディナーのサービスを週末に行っている。

マイナーチームがこうした動きに出ているのはやはり新型コロナウイルスの感染拡大の影響が背景にある。MLB同様マイナーリーグベースボールもシーズン開幕の目処が立っていないのだ。マイナーチームはMLBチームと提携契約を結び、選手を借り受ける形となっている。そのため選手への給与支払い義務はない。しかしチームの経営は独立採算制となっており、職員への支払いなどは独自に行わなければならないのだ。

当然現在のようにシーズンが開幕出来ない状態が続けば、経営が立ちゆかなくなる可能性が高い。実際多くのチームがスタッフの採用を止めたり、インターンなどの解雇や職員の一時帰休といった対策をとっている。さらにメジャー30チームは3月下旬、マイナーの選手に対し、5月31日まで1人当たり週400ドルを補償するとしていたが、6月以降についてはアスレチックスが給与の支払いを見送ることを発表した。

まさにマイナーは存亡の危機にあり、窮余の策として打ち出されているのが民泊や食事のサービスというわけである。MLBとMLB選手会で再開に向けた協議が行われているが、このマイナーの窮状にももっと目が向けられるべきだろう。