豊富な資金力を誇る新オーナーの下、5年以内にワールドシリーズ制覇を目指して出発したばかりのメッツがスキャンダルに見舞われた。昨年12月に就任したばかりのジャレッド・ポーターGMがセクハラを行っていたとスポーツ専門局ESPNが報じたのを受け、解雇されたのだ。

18日付の記事によればカブスのスカウトだった2016年に女性記者に対し性的な迷惑メールや画像を何十通も送りつけていたのだという。翌19日にスティーブ・コーヘン・オーナーが自ら同GMの解雇を発表した。

サンディ・オルダーソン社長は19日、この件について初めて知ったとき「ショックだった」と語っている。ポーターの雇用について「我々は彼について長期間にわたり知る組織と個人から意見を聞いた。反対意見はなかった。私の立場からするとショックだった。最終的には失望と少しの怒りを感じた」とコメントした。

その上で採用プロセスについて「今は誰も内面と外面を知るのが難しい。問題は知っているべきだったかだ。身元調査を行い、『他に知っておくべきことはないか』と質問した。一連の事件から今に至るまでの時間を考えると、これは知っているべきものではなかったと確信している」とし、その難しさをあらわにしている。

さらにコーヘン・オーナーの解雇の判断に関しては「それが対応だ。これは組織として容認できるものではない」と正当性を強調した。

すっかり出はなをくじかれた形のメッツだが、地元メディアは既に次の動きに目を向けているようだ。オルダーソン社長はこのオフシーズン中に後任を決定しないと明言したものの、19日付のニューヨーク・ポストは後任GM候補について取り上げた記事を掲載している。

それによれば次のGMとして有力視されているのはメッツに在籍している2人の役員だという。1人はサック・スコット上級副社長兼アシスタントGMで、分析とシステムの担当として先月雇用されたばかりの人物だ。レッドソックスで3度のワールドシリーズ制覇に貢献した実績を持つ。2人目はジョン・リッコ上級副社長兼上級戦略オフィサーだ。20年近く組織の中心で活躍し、過去2シーズンは契約交渉を担当している。

MLBがこのスキャンダルについて調査を行うという報道も出ているが、メッツとしては迅速な立て直しが急務なのは間違いない。