MLBプレーオフは地区シリーズが最終盤を迎えている。ア・リーグではワイルドカードから勝ち上がったレッドソックスが現地11日、同じ東地区の覇者レイズを6対5で下し、3勝1敗として2018年以来3年ぶりにア・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。さらに翌12日には西地区覇者のアストロズが、中地区覇者のホワイトソックスに10対1で大勝。やはり対戦成績を3勝1敗として、史上3チーム目となる5年連続リーグ優勝決定シリーズ進出を決めている。

一方、ナ・リーグは12日に東地区覇者のブレーブスが、中地区覇者のブルワーズに5対4で競り勝ち、これも3勝1敗として、2年連続でナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。残る1チームだが、ワイルドカードで進出したドジャースと同じ西地区覇者のジャイアンツが2勝2敗と並んでおり、14日にサンフランシスコで開催される最終戦にもつれ込むこととなった。ともに飛び抜けた成績を残しているライバルチーム対決にその熱気はいやが上にも高まっている。

今回の地区シリーズの特徴は2015年以来6年ぶりに、スイープと呼ばれる無敗の3連勝で勝ち上がったチームがなかったことだ。少なくとも1勝したことでこの短期決戦がより盛り上がり、ビジネス的にも良いことは明白である。このことについてロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは12日に開催されたスポーツビジネスの会議に登壇し「我々は少し幸運に恵まれたようです。ここ数年はパンデミックなどで本当に大変でした」と語っている。

さらに今回の出場チームと組み合わせについても「今年は本当に運が良かった。プレーオフの早い段階で、素晴らしいチームやライバル関係を手に入れることができたのは、人々の興味を引くという意味で重要なことです。ボストン、タンパ、サンフランシスコ、ロサンゼルスなど、東西のチームが混在していることも、我々にとっては素晴らしいことだと思います」ともコメントしている。

一方で、試合時間の長さが人気を下げているのではと問われると「試合時間については、それ自体は気にしていません。なぜなら、さまざまなことが試合時間に影響するからです。 我々がコントロールできないものがあります。ペースを気にしています。3時間9分が悪いことだとは思っていませんが、その3時間9分の間に何が起こっているかが重要なのです」とも話し、試合中の「アクション」について改善の余地があることも示した。

リーグ優勝決定シリーズは現地15日のレッドソックス対アストロズで開幕する。