ロックアウトが終わることを願う、あるヤンキース・ファンが毎日投稿するイラストがネットで話題となっている。エンゼルスのスター、マイク・トラウト外野手を描いたものだ。

描いているのはニューヨーク・スタテン島出身で26歳の元トラック運転手、スバラ氏。同氏は美術の訓練は小学校で受けただけだというが、ロックアウトが始まって3日目、MLBの情報が無くなり、終わりが見えないことにショックを受け、ギャップを埋めようとトラウトの絵を描こうと思ったのだとか。「私はただ、マイク・トラウトのつまらない小さな絵を描こうと思っただけだ」と語っている。

最初にトラウトがダイビングキャッチをするイラストを描き、「ロックアウトが終わるまで毎日マイク・トラウトを描く」というタイトルでソーシャルニュース・サイトRedditに投稿したのである。すると数時間のうちに視聴数がトップになり、1万以上のいいねと「ああ、神様がロックアウトを終わらせる」、「彼の芸術が世界を変えることができることを願っています」といったコメントが多数寄せられる事態に。さらに毎日5000から2万のいいねが押されるようになった。

最初の6日間、イラストは既存のプレー写真の複製だったが、7日目にはアマゾン創業者ジェフ・ベゾスの宇宙開発企業ブルーオリジンのロケットと並んだオリジナルになった。8日にはロックバンド、ニルヴァーナの有名なアルバム「ネバーマインド」のジャケットを模し、赤ちゃんの代わりにトラウトが描かれたものが投稿されている。さらにトラウトと大谷翔平投手で映画「E.T.」の場面を再現したものも。トラウトを魚のマス(トラウト)に見立てたイラストを描いて欲しいというリクエストが多かったそうで、トラウトのジャージーを着て、トラウトに釣り糸を結んでいる魚の作品も描かれた。

スバラ氏は「その日にやりたいと思ったことをやっています。絵を描くために座るまで、どんな絵にするかは考えていないんだ。参考画像をいくつかググってみます。今日は有名な絵画を参考にしようと思って、有名な絵画をググったら、マイク・トラウトが描かれているのが出てきたり。無限の可能性があるんです」と語っている。

現在、チャリティーのためのプリントやTシャツを販売するオンラインストアを立ち上げ、収益の一部をトラウトが公的に支援しているアメリカ自殺防止基金や、大谷も登場する絵の場合はアジア系アメリカ人メディアセンターに送ることを考えているという。リーグ関係者によるとトラウト自身はこのアートシリーズについて認識はしているが、コメントはしていない。

この取り組みによってMLBの人気が高まることを期待しつつも、なによりもまずロックアウトが1日も早く終了することを望みたい。