ア・リーグ新記録となる62本塁打を記録したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手。MVPの行方とポストシーズンでの活躍も気になるところだが、それと同等に注目されているのが、来シーズン、どのチームでプレーすることになるかということだ。

2017年にも本塁打王に輝き、これまで4回オールスターに選出されているジャッジは2017年以降1年契約を繰り返してきた。ヤンキースは今シーズン開幕前、大型複数年契約を目指して、交渉を続けたものの合意できなかった。その際、ブライアン・キャッシュマンGMは「透明性を出すことが目的」だとして、7年2億1350万ドルと今シーズンの年俸1700万ドルを提示していたことを公表。結局年俸調停を避け、1年1900万ドルで契約しプレーしたのである。

スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者は5月に少なくとも3億ドルを望めるだろうとの予測を報じていたが、この予測には本塁打新記録とMVPや3冠王の可能性は考慮されていないのだ。当然これらの記録はまだ30歳のジャッジに対する評価には大きく影響することになるだろう。

現在契約総額が最も高いのはエンゼルスのマイク・トラウト外野手の12年4億2650万ドルだ。10位でもカージナルスのノーラン・アレナド三塁手の8年3億ドルとなっている。1年平均年俸で最も高いのはメッツのマックス・シャーザー投手で4333万ドルだ。ジャッジの新契約はこうした数字に割って入ってくることになるのは確実である。

ではどこのチームと契約することになりそうか。CBSスポーツの電子版は2日、独自の移籍候補ランキングを発表した。その1位に挙げられたのはやはりヤンキースである。キャッシュマンGM自身、ジャッジ引き留めの意向を公言しているが、同記事では「今のチームはジャッジ不在では成り立たない」「これまでに、ロビンソン・カノを除いて生え抜きのスター選手を移籍させたことはほとんどなかった」ことなどを理由として挙げている。

ランキングの2位はドジャース、3位メッツと資金に余裕のあるチームが並び、4位には出身地北部カリフォルニアで少年時代ファンだったジャイアンツ、5位にはレッドソックスを挙げている。ヤンキースのライバルであるレッドソックスには意外に思うかもしれないが、9月にジャッジはフェンウェイパークでレッドソックスファンがジャッジを応援してくれることに対して、愛着があると冗談めかしてインタビューで答えており、移籍に支障がないと感じられているのだ。

MVPレースを繰り広げているエンゼルスの大谷翔平投手が1年3000万ドルの契約で残留を決めたことが大きな話題となっている。ジャッジのマネーゲームの決着はどうなることだろう。