ジャイアンツ青木宣親外野手(33)が、ブレーブス戦でメジャー自己新となる5試合連続マルチ安打を記録した。持ち味の光る2安打でチームを勝利へ導き、打率も3割2分6厘としてナ・リーグ6位に入った。

 ボウチー監督が「得点するための細かいプレーができている。あれは大きかった」と振り返るのが、1点リードの8回無死一、二塁で決めた三塁バント安打だった。青木へのサインは、今年初めての送りバント。「あそこに転がそうと思った」と初球を狙いどおりの三塁線沿いに転がすと、自らも生き残って満塁機をつくった。後続がつながり、打者一巡の猛攻で一気に6点とたたみかけた。

 指揮官は犠打より安打での好機拡大を好むことで知られる。俊足を飛ばし、期待に最高の形で応えた青木は「切羽詰まったところでのバントだったし、結果大量点も入った。いいつなぎができたと思います」と笑みを浮かべた。

 6回に1死二塁では、ミラーの内角153キロをさばいて左前へ。腕をうまく折りたたみながら逆方向に運んだ。実は「あんまりよくなかった」というスイングでも、結果はマルチ。「2安打もしているわけだし、今日は今日でいいとして、また明日から」と前向きにとらえた。

 チームは4連勝。5月に入って20勝7敗で、地区首位ドジャースに0・5ゲーム差と迫った。青木は「まだ5月。1つでも多く勝つことが大事。自分たちの野球を続けていきたい」と意気込んだ。(サンフランシスコ=佐藤直子通信員)

 ▼青木が渡米後初の5試合連続マルチ(複数)安打。日本時代は5試合以上連続が10度あり、最長は7試合連続(2度)。10年のシーズン68度はセ・リーグ記録。日本人の大リーグ最長は、マリナーズ時代のイチローが5度記録している7試合連続。大リーグ最長は、近代野球とされる1900年以降では23年ホーンズビー(カージナルス)の13試合連続。それ以前では1890年カンポー(ブラウンズ)の15試合連続。