【ニューヨーク(米ニューヨーク州)12日(日本時間13日)=水次祥子】巨人OBでヤンキースGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏(42)が、バースデー特大弾を放った。今年で70年目を迎えたヤ軍OBによる「オールド・タイマーズ・デー」に2年ぶりに参加し、対抗戦「5番一塁」で先発、元サイ・ヤング賞投手のデービッド・コーン氏(53)から右翼2階席にたたき込む2ランで、自らの誕生日を祝った。

 やっぱり松井氏はホームランがよく似合う。引退して4年たっても、ゴジラパワーは衰えていなかった。2回の第1打席。94年サイ・ヤング賞を受賞し通算194勝を誇るコーン氏から、右翼2階席の中段に特大の2ランを放った。コーン氏が「参りました」といわんばかりに両手を広げて降参のポーズをすると、松井氏は誇らしげに両手を広げ、満面の笑みでダイヤモンドを1周した。

 この日はくしくも42回目の誕生日。メジャー移籍後は08、09年に2年連続でバースデーアーチを放ち誕生日に強い男として知られていたが、引退しても健在だった。「デジャビュでしたね。いやもうね、これ以上ないバッティングだと思うんで。現役時代でもなかなかあんなに完璧に打てないですよ」と、満足そうに笑った。狙っていたかと問われると「こういうときは常にそういう意識でいってますよ」とにこやかに振り返った。対抗戦前のセレモニーでは、「ハッピー・バースデー」の曲とともに紹介され、まさにこの日の主役の座を奪った。

 ヤンキースタジアムは今季開幕戦で始球式を務めて以来の登場。対抗戦後は大勢の米メディアに囲まれた。安打の大記録に近づく同年代のイチロー(マーリンズ)について聞かれると「ニュースなどで見ています」と気にかけていることを明かした。また、ア・リーグ4位と苦しむヤ軍には「5割で低迷はかわいそうでしょう。これからですよ」と巻き返しに期待した。対抗戦前にはチームの柱である田中を激励。自身の近況については「(ヤ軍マイナーの巡回は)月に半分くらいは行っています」と話し、指導者としても充実している様子だった。