マーリンズ・イチロー外野手は冗談めかしながらも、3000安打目前で足踏みしたつらさなどを語った。

 -率直な気持ちは

 イチロー この1週間(人より老化の早い)犬みたいに年取ったんじゃないかと思う。達成した瞬間にチームメートやファンが喜んでくれた。僕にとって3000という数字より、僕が何かをすることで他人が喜んでくれることが何より大事だと再認識した。

 -本塁打を狙ったか

 イチロー いやいや全く狙ってない。ホームランだったらいいな、とか考えるけど、そんな甘いもんではない。ただ打球が上がった瞬間には越えてほしいと思った。

 -プロ野球記録を超える日米通算116三塁打

 イチロー そうでしたか。福本さんでしたよね。ごめんなさいとしか言えない。

 -達成者では一番遅い27歳でのデビュー

 イチロー そんなに僕の中で大きなことではない。感触としては2年くらい遅い。ずいぶん時間がかかったなという感触。

 -節目の直前に足踏みもあった

 イチロー 人に会いたくない時間もたくさんあった。これまで自分の感情をなるべく殺してプレーをしてきたつもりだけど、なかなかそういうふうにうまくいかず、という苦しい時間だった。でもこれだけ長い時間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれたと考えれば、この使われ方も良かったなと今は思う。

 -今、感謝する人は

 イチロー 思い出したのはこのきっかけをつくってくれた(元オリックスの)仰木監督ですね。神戸で2000年の秋にお酒の力をつかって僕が(メジャー行きを)口説いたんですけど、仰木さんの決断がなければ、何も始まらなかったと思うので。そのことは頭に浮かんだ。