ダルビッシュ有(31)は今オフ、日本時代も含めて初めてFA資格を得た。FA市場での価値は高く、米メディアは先発投手ランク1位に格付け。アストロズとのワールドシリーズで2敗したが、実績は揺るがない。来季からの年俸予想は日本人史上最高の2500万ドル(約28億7500万円)、またはそれ以上といわれる。夢の30億円プレーヤー誕生か。巨額の決め手は驚異的な奪三振率だ。
- 大リーグ通算奪三振率10傑
9月8日、大リーグ史上最速ペースで通算1000奪三振を記録した。通算128試合目、812回での達成は、先発投手で過去最速だったケリー・ウッド(元カブス)の134試合、853回をともに更新した。大リーグ公式サイトによると、通算1000奪三振は501人がマーク。この中で、奪三振率(9回あたりの個数)が最も高いのはビリー・ワグナーの11・92。ワグナーは95~10年に活躍した通算422セーブの救援投手で、先発経験はない。先発投手ではダルビッシュの11・04が歴代トップになる。
- ダルビッシュの大リーグ年度別成績
実働5年で奪三振率11・04は、野茂の5年目終了時(9・66)と比べても1個以上多いハイペース。2桁奪三振34度は野茂の31度を超え日本人最多となった。15年の右肘手術後、初のフルシーズンとなった今季は4年ぶりに200個以上となる209奪三振。自己最速タイの99マイル(約159キロ)も出た。打順別の個数は
◆1番 18個
◆2番 30個
◆3番 16個
◆4番 32個
◆5番 20個
◆6番 25個
◆7番 23個
◆8番 23個
◆9番 19個
◆途中出場 3個
- 日本人投手の17年成績
8月10日にはシルバースラッガー賞3度の強打者ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)から1試合で3個など、4番打者から最多の32個を奪った。209個のウイニングショットはフォーシーム85、スライダー71、カーブ29、カットボール11、ツーシーム9、チェンジアップ4。多彩な武器で支配する。
今季大リーグの総本塁打6105本と4万105三振は史上最多だった。来季も打者が振り回す傾向なら、ダルビッシュの圧倒的な投球はさらに増えるかもしれない。【織田健途】
- 日本人投手2桁奪三振