【テンピ(米アリゾナ州)20日(日本時間21日)=本間翼、斎藤庸裕】左打者としてのエンゼルス大谷翔平投手(23)に朗報だ。球団が本拠地エンゼルスタジアムの右翼フェンスを約3メートル低くすることを発表した。昨季までは、右翼フェンス上部にあるスコアボードを含めると高さ約5・49メートル。今回の改修で、スコアボード最下部に黄色いラインの「本塁打境界線」を設けることになった。境界線は約2・44メートルの高さとなる。

 もともと、エンゼルスタジアムは右翼ポールまで106・7メートルあり、メジャー30球場で4番目に深く、左打者にとっては不利とされていた。左翼方向にも本塁打を打てるのが大谷の特徴でもあるが、過去5年間の本塁打は、右翼20本、中堅11本、左翼17と、右翼方向が一番多い。球団関係者によると、大谷獲得以前から計画されていたもので“大谷仕様”ではないとはいえ、右方向の本塁打が出やすくなるとなれば、左打者大谷には有利になる。

 この日はキャンプで初めて、フリー打撃に登板する同僚投手を相手にして打席に立ったが、スイングせずに10球すべてを見逃した。「生きた球を見るってことは、それだけで練習になるかなと思います」と、メジャー投手のスピードや球筋を確認した格好だ。右翼フェンス改修についての質問に「あんまり関係ないかなと。本塁打になる打球は本塁打になると思っているので」と平然。今季導入される「マウンド訪問回数の制限」など時間短縮のための新ルールについては「現時点で不安になっていることはない」と淡々と語った。新天地でも精神的にゆとりがある。