右ふくらはぎ痛で離脱したマリナーズのイチロー外野手(44)が、17日(日本時間18日)から全体練習に合流した。通常であれば開幕が絶望視されるほどの状態だったが、特殊マシンを使った初動負荷トレーニングで急速に回復した。

 初動負荷トレーニングは、トレーニング・ドクターの小山裕史氏が1994年に発表したトレーニング法。動作最初に加わる負荷で、緊張を招く関節と筋肉を、リラックスさせた状態の筋肉に適切な負荷を与え、しなやかで弾力性に富んだ筋肉を得ることができる。

 独自のマシンを使用するトレーニングは、神経-筋肉-脳の関係改善を促すことが検証されている。従来のウエートトレーニングに比べ負荷が非常に軽いため、高齢者や体にまひなどの機能障害がある人でも動かすことができる。疾病や故障の予防・改善、疲労回復、リハビリなどにも効果がある。元中日の山本昌氏は11年に負傷した右足首脱臼の早期回復に役立てた。99年からイチローはマシンを自宅でも愛用し、キャンプ施設にも持ち込んでいる。今回のV字回復に助言をしたのかを問われた小山氏は「24時間体制です(^^)。これが良かったと思います」とコメントした。