【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、4試合ぶりのノーヒットに終わった。
「1番DH」で出場し、4打数無安打。打者で出場した直近22試合で1本塁打と、本調子に向かう兆しが出ても、感覚をつかみきれない日々が続いている。好球必打への原点回帰、右脇腹を痛めていたムーキー・ベッツ内野手(33)の復帰、同僚の金言など、自力の改善に加え、チームの助けも欠かせない。期待される復調への鍵とは-。その条件を探った。
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大谷は積極的にバットを振った。ただ、捉えきれなかった。ロバーツ監督は「速球に振り遅れているように見える。ベルト付近の球を、本来ならセンターから逆方向へ強く打ち返すタイプだが、今は少し差し込まれている」と分析した。
5日のアストロズ戦後に大谷本人が口にしたように、構えから動き出しのスイング軌道にズレがあるのだろう。あるデータが、復調へのヒントを示している。
好調が続く時は、甘い球を捉え、ボール球を見逃す、シンプルな「好球必打」が徹底されている。MLB公式の分析サイト「ベースボール・サバント」によると、「ミートボール・スイング率」が例年より低い。「ミートボール」とはど真ん中の絶好球で、それをどれだけ振っているかを示す指標。過去8年間の平均は79・7%に対し、今季は65・8%と大きく下回る。失投に手が出ない場面が目立つのは、開幕から厳しい攻めを続けられ、甘い球が少ないことも要因がある。
ベッツの復帰が、助けとなるかもしれない。ロバーツ監督は11日のジャイアンツ戦から打順2番か3番での起用を明言した上で「チームにとっても起爆剤になる」と言った。大谷の前後の打者が好調であれば、大谷と勝負せざるを得ない状況となり、徹底マークが外れる可能性がある。必然的に甘い球が増え、好球必打も意識しやすい。同監督は「チームにエネルギーを注入してくれる。流れが変わるだろう」と期待した。
吉兆を予感させる同僚の“金言”もあった。この日、2ランを放った野手のマンシーは「みんな少し、やりすぎなのかもしれない。調子がいい時に舞い上がりすぎず、悪い時に落ち込みすぎず。真ん中を保て。それが162試合を戦うには必要」とコメント。昨年9月上旬、打線が低調な時も、ベイツ打撃コーチが大谷ら主力打者に「多くをやり過ぎず、ゴルフなら『パー』でいい」との助言を送った。すると直後に大谷は2本塁打を放ち、打線も息を吹き返した。
肩の力を抜いて、シンプルに好球必打-。例年より不振が長く続いているのも否定できないが、スイングの積極性は出始めている。フルシーズンの二刀流で完走し、34本塁打を放った22年と比べても、ここまでの打撃成績はさほど変わりない。シーズンは序盤の5月。自力とチーム全体の相乗効果で、完全復調への道を切り開く。



