開幕を目前に控え、エンゼルス大谷翔平投手(28)に「変化」が表れた。ドジャース戦に8番指名打者(DH)で出場。2打席目、左腕ヒルの142キロ直球を捉え、左前へクリーンヒットを放った。これまでは、タイミングをとる際に、右足を上げてから打ちにいくフォームだったものが、この日は、足を上げずにすり足に近い形で打ちにいく形に変わった。実戦で初めて試した新打法について「いい感じで(打席に)入れた」と、手応えありだった。

 メジャー開幕まで3日前、目前での“突貫工事”だ。「スイング自体はそんなに変わっていない」と話したが、大きな打撃フォームの変化だった。オープン戦では、手元で変化するメジャー投手特有のボールにタイミングを崩され、なかなか結果が出なかった。足の上げ方など、微調整はしてきたものの、基本的な打撃スタイルは変えなかった。

 2月のキャンプイン初日、メジャー投手への適応の仕方について、こう話していた。「まずは何も変えずに、変えなきゃいけないところはその都度、変えていければいいかなと思う」。必要があれば変える。試行錯誤を繰り返し、開幕直前のタイミングでその時が来た。

 4打数1安打の結果も、オープン戦で2試合連続の安打。徐々に結果が出てきている。ソーシア監督は「良かったね。多くの投球を見られたのも、良いこと。タイミングをつかめれば、心配はない」と評価した。大谷は27日(同28日)のドジャース戦もDHで出場する予定だ。独特の投げ方が多いメジャーの投手に対してタイミングの合わせ方に苦しんできたが、「それにはアジャストしやすいかなと思います」。変化を加え、確かな手応えを得た。【本間翼、斎藤庸裕】