低い弾道の打球が鋭く右翼スタンドへ向かった。エンゼルス大谷翔平の今季4号は、投げたヤンキースのセベリーノが「内角へのいい球だったが、それを運ばれた。脱帽するしかないよ。もう2度と内角には投げない」と言い残したほどの当たりだった。その打球の角度は、大谷が放った4本の本塁打のうち最も小さい23度。打球の初速は112マイル(約180・2キロ)で、6日のアスレチックス戦で放った3号の112・4マイル(約180・9キロ)に次いで速かった。

 両リーグで今季4本塁打以上を放っている打者は27日時点で74人いる。そのうち、112マイル(約180・2キロ)以上の打球速度を2度以上記録しているのは、大谷の他にはヤンキースのスタントン(5本中3本)、ホワイトソックスのデービッドソン(9本中3本)とモンカダ(6本中2本)、ヤンキースのオースティン(5本中2本)と4人しかいない。現在10本塁打でリーグ最多に並ぶ大谷の同僚のトラウトとヤンキースのグレゴリアスは、本塁打に関しては112マイル以上の打球速度はない。

 強い打球で遠くに飛ばす割合の高さでは、大谷はメジャーでも上位一握りの打者の中に入っているといえる。【水次祥子】