エンゼルス大谷翔平投手(24)が衝撃的な手術勧告を受けた。エンゼルスは、大谷が5日(日本時間6日)に遠征先の当地で受けた精密検査で、右肘の靱帯(じんたい)に新たな損傷が見つかり、投手復帰まで1年以上かかるとされる靱帯再建手術を医師から勧められたと発表した。大谷は2日(同3日)のアストロズ戦で約3カ月ぶりに投手として復帰し「二刀流」で再出発したばかりだった。

      ◇       ◇

横浜南共済病院スポーツ整形外科・山崎哲也部長の話 右肘内側側副靱帯に、打撃でかかるストレスは問題ないと思う。打者としては6カ月ぐらいで試合に戻るのが一般的。私がトミー・ジョン手術を行ったケースでは、プロレベルではないが、高校野球の内野手で、4カ月で送球を開始、半年で甲子園の地方大会に出た例があった。

野手なら打撃ができている状態で、手術を受けるかどうかは、迷うところでしょう。大谷君の場合は特殊で、普通は投手をあきらめる。トミー・ジョン手術を受け、投手として試合に戻るためには一般的にリハビリを含めて少なくとも1年はかかる。1年を棒に振るかどうか。スポーツ選手は旬の時期が短いということもある。

私はトミー・ジョン手術を積極的に推奨はしていないが、投手として88日ぶりに試合に臨んでも状態が上がってこないのなら、手術は選択肢になる。本当に靱帯が痛いのか、それとも肘をかばって肩など他の箇所が痛くなったのかなど、詳しく検査をすることが重要だ。診察結果を見ていないので、正確な状態は分からないが、3カ月近く投げていなかった状態で登板し、3回程度の投球で、新たな箇所に損傷が見つかったのは疑問が残る。