エンゼルス大谷翔平投手のリハビリ姿と発言は、まるで受験勉強のように映った。素振りや筋トレなど単調な練習メニューが続く中、「地味な練習も嫌いじゃない」と言った。素振り、ティー打撃、フリー打撃、実戦形式の練習…。1つのステージをクリアし、次のステージへ。その過程があったから大谷は「何でも楽しい。やれることも増えている。何事も面白いです」と思えた。

多くの人が経験したことがある受験勉強も同じだろう。英語で言えば毎日、単語帳を開いて覚え、英文法を理解して、難解な長文読解に進む。ただ、明確な目標がなければ、進歩はどうしても遅くなる。結果、日々の勉強もつまらなく思え、時間が長く感じられてしまう。

大谷はキャンプ開始から1カ月間が「すごく早く感じた」という。やれることに専念し、オンとオフを切り替えて「1日でも早く復帰する」と目標を定めた。1段1段、リハビリ試験をパスし、再びトップレベルまでたどりついた。そんな歩み方だった。【MLB担当 斎藤庸裕】